人間によく似た種族「妖魔」の娘。穏やかで優しい性格で、その美貌と相まって巷でも評判の存在であるが、鉱山領の領主に所有されている「戦奴」でもある。戦奴とは貴族の従者の中でも最も下位の身分であり、魔物との戦闘に駆り出されたり、時には主人の欲望のはけ口にされたりと痛ましい境遇にある。

 

 高い身体能力と魔力を備えており、こと戦闘においては目覚ましい活躍を見せるが、戦奴の別の顔である「領主の慰み者」という立場においては、その貞淑さから苦悩することも多い。

 

 幼い頃に拾った珠を宝物にしており、毎夜話しかけては辛さを紛らわせている。その中には神が眠っていると信じ、封印を解くために独学で魔術を修めたが、中の神が破壊の権化であることは、知る由もない。

 

 胸がとても大きい事と、妖魔にしては耳が短い事を気にしている。

 

 

 

 かつて魔王の軍勢を率いて人間の世界に降臨し、破壊と殺戮を繰り返した恐るべき魔神。圧倒的な力を有していたが、聖なる神を味方につけた1人の勇者によって討ち果たされ、珠に封印されて妖魔の世界に打ち棄てられた。

 

 誰にも見つけられる事なく果てしない時を経たがある時、妖魔の少女によって拾われ、魔術の施しを受けたことで少しずつ封印から脱しつつある。

 

 破壊を司る神ではあるが気性は決して荒々しいものではなく、数多の生物にとって理不尽そのものである蹂躙も、自分の成すべき行いであると確信し粛々と実行する。その思索はまさしく神々の領域にあり、到底常人に理解できる理念ではない。

 

 生きとし生けるものを超越した存在でありながら面倒見がよい性質であったり、女性を籠絡する手管に長けていたりと、意外に人間味のある一面も持ち合わせている。

 

 

 

 ウォルスラが創り出した従属神の1人。破壊神の力と技を受け継いでおり、黄金の甲冑を身につけて戦場を駆けたことから「金色の戦鬼」と呼ばれ恐れられた猛将であった。人間界での戦いにおいて死亡したがその魂はウォルスラと共にあり、主神と同様に珠の中に封じられていた。

 

 珠の封印が弱まったことにより、魂だけの状態で珠の外へ抜け出せるようになったベリオンは、自分の力を活かすための憑代として鉄の甲冑を選択し、ウォルスラの完全な復活のために行動を開始する。

 

 主神を守る盾として生きる事に誇りを持っており、誰に対してもうやうやしい物腰を崩さない紳士的な人物であるが、少し抜けているところがある。歌が上手。

 

 ウォルスラが創り出した従属神の1人。破壊神の魔力と知恵を受け継いでおり、数多の生命を焼き払いその魂までも弄んだことから「灰塵の魔女」と呼ばれ恐れられたネクロマンサーであった。ベリオンと同じく人間界で戦死したが、その後ウォルスラやベリオンと共に珠の中に封じられていた。

 

 ベリオンとは異なり、物理的な力よりも魔力が宿った憑代を求めた結果、アーネが使用していた草布のシーツを仮の肉体とした。魔力の扱いに長けた彼女は、その形を自在に変えてまるで生物のように振る舞うことができる。

 

 ベリオンとは対照的に享楽的で奔放な人物であり、創造主に対しても不遜な態度をとるが、同志と認めた者に対しては情が厚い面も見せる。双子の兄にも等しい存在であるベリオンをからかって遊ぶのが趣味。

 

 

 

 

 

 妖魔界でも有数の鉱山を抱える領土を代々管理してきた一族の当主。アーネを戦奴として使役している。立場を利用して私腹を肥やす支配者であり人望は薄いが、街や鉱区を整備し商圏を司るという重要な役割を担っているため、多くの領民は厭々ながら従っている。

 老年に差し掛かった身ではあるが好色であり、アーネの他にも多数の妾や戦奴を囲っている。その歪んだ性格の割に体臭が芳しいという誰の得にもならない特長を持っている。

 

 

 鉱山の町で随一と称される鍛冶屋の息子。父と2人で鍛冶仕事に精を出す日々を送っている。

 名匠である父に追いつこうと研鑽を積む一途な若者であり、精悍な体躯と端正な顔立ちもあって女性からの密かな人気を集めているが、本人はアーネに淡い恋心を抱いている。

 幼少期から、目にした虫を捕まえて食べてしまうという悪癖が抜けず、うっかり人前でやってしまい奇異の目を向けられることもしばしば。

 

 

 

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